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浜本工芸の悪質パワーハラスメント問題について

更新日:3 日前

 浜本工芸株式会社(本社:広島市南区出島2丁目14-37)において、2025年7月19日、佐伯工場長による解雇を匂わせる重大かつ悪質なパワーハラスメントが発生しました。会社は、これまでも同工場長がハラスメントを繰り返し把握しながら、十分な調査・処分・再発防止策を講じてこなかったことが明らかになっています。

 労働組合は団体交渉を重ね、会社に対し責任ある対応と再発防止を求めてきましたが、現時点で真摯な姿勢は確認できていません。そのため、社会に広く実態を訴えるべく、事実をブログにて発信することにしました。


1、発生したハラスメントの内容(2025年7月19日)


 佐伯工場のA組合員が、部品出荷に関する指示変更の理由を確認しようとした際、佐伯工場長が事実誤認のまま激しい叱責を行い、退職を示唆する恫喝を行った。


① 会社の調査結果(2026年1月28日付 回答書)より:

「佐伯工場長は、A氏が『執拗に理由を求めている』と事実を誤認し、一方的に叱責した」「『営業統括にでも聞くつもりか』などの発言を行い、さらに『辞めてもらわんとあかんじゃないか』と退職を示唆する極端な発言をした」


 →会社はこれを「パワーハラスメントに当たり得る事例」と正式に認定した。


② 被害者の証言

A組合員は団体交渉で次のように述べている:

「仕事上の質問をしただけなのに、『営業統括に電話せえ』『辞めてもらうで』と恫喝された」

「非常に恐怖を感じた。こんなことは二度と起きてはいけない。自分で終わりにしたい」

Aさんは、工場長に「営業統括に電話せい」「辞めてもらうで」と怒鳴られた。
Aさんは、工場長に「営業統括に電話せい」「辞めてもらうで」と怒鳴られた。

2、本件が極めて悪質である理由


 本件は、単なる職場内のトラブルではなく、企業の安全配慮義務およびハラスメント防止措置義務に深く関わる問題です。


①管理職による「解雇を示唆する」発言という重大なパワーハラスメント

 厚生労働省の指針では、労働者に雇用不安を与える言動は、精神的攻撃として最も重い類型のパワーハラスメントに該当します。工場長という管理職が、権限を背景に解雇を匂わせる発言を行ったことは、労働者の生活基盤を揺るがす重大な行為です。パワハラの中でも最も深刻と言われる行為です。


② 相談窓口が加害者本人という「構造的な問題」

 本件では、社内のハラスメント相談窓口が工場長(加害者)本人に設定されており、被害者が相談できず、隠ぺいされる構造が存在しています。

 厚労省指針が求める「相談窓口の独立性・中立性」が確保されておらず、企業の防止体制が機能していないことが明らかです。また、会社はこの体制を温存しようとしています。


③ 過去にも複数回のハラスメント行為が確認されている

 社長自身が認めている通り、工場長によるハラスメント行為は今回が初めてではありません。厳重注意後も改善が見られなかったこと自体が悪質であることに加え、企業が再発防止措置を十分に講じていないことを示しており、会社の責任も重く問われます。


④ 企業全体のガバナンスが問われる事案

 管理職による権限濫用、相談体制の欠陥、再発防止措置の不備が重なっており、本件は個人の問題にとどまらず、企業の組織運営そのものが問われる事態です。

 労働者の安全と尊厳を守るため、早急な事実確認と再発防止策の構築が不可欠です。


浜本工芸で起きたハラスメントと、会社対応の実態
浜本工芸で起きたハラスメントと、会社対応の実態

3、事実経緯

~11月11日:事前に佐伯工場長の不当労働行為を指摘し、団体交渉に佐伯工場長の出席を要求。会社側はこれを拒否しました。


① 第11回団体交渉(11月11日)

● 組合側の主張

  • 佐伯工場長の次回団交への出席を強く要求


● 会社側の対応

  • 社長は「書類で要望を出してほしい」と繰り返し、議論を打ち切る姿勢。

  • 工場長の出席については回答を避ける。


● その後の書面の動き

  • 11/18:組合が工場長出席を要求書で提出

  • 11/29:会社が回答書で工場長出席を拒否

会社は工場長を団交に出さない姿勢を明確化。


団体交渉に臨む労評浜本工芸分会、労評広島県本部役、連帯の広島大学生、労評顧問弁護士
団体交渉に臨む労評浜本工芸分会、労評広島県本部役、連帯の広島大学生、労評顧問弁護士

③ 第12回団体交渉(12月9日)

● 組合側:具体的なパワハラ事実を提示

A組合員が以下の事実を詳細に説明:

  • 部品数量の確認をめぐり、工場長が事実誤認のままA氏を呼び出し、

    • 「営業統括に電話しろ!」

    • 「言うなら辞めてもらわないといかんぞ」 と発言。

  • 退職強要に近い発言威圧的態度事実確認をしないまま責任転嫁などが問題点として提示。


● 組合側の要求

  • 事実確認と見解の提示を要求。

  • 次回団交に工場長本人を出席させるよう再度要求。


● 会社側の対応

  • 「本人に聞いてみる」と回答。

  • 具体的な見解は示さず。


● 書面の動き

  • 12/16:組合が要求書提出

  • 12/26:会社が“パワハラを認める”回答書を提出

会社が初めてパワハラを認める。


④ 第13回団体交渉(1月19日)

● パワハラ認定について

  • 組合が「パワハラを認めたのか」と確認。

  • 社長は「パワハラに当たりうる事例と確認した」と回答。

  • 指導のみで、就業規則上の処分はしていない


● 組合側の追及

  • 被害者(A氏)への謝罪が一切ない。

  • 工場長を団交に出さない理由が不明確。

  • 会社の対応が形式的で、どのような調査をし、パワハラ認定したのか具体的説明がない。

  • そもそも、被害者に対する聞きとりを一切していないため、事実確認したと言えない。


●会社の対応

  • 工場長本人にも確認したと説明。

  • 「長時間」「かなり強く指導したのでそれで十分だと思っていました」と回答。


● A氏の発言

  • 社長の姿勢に「落胆」。

  • 「工場長本人からの謝罪が必要」と明言。

  • 過去にも工場長によるトラブルが複数あると指摘。


● 組合側が指摘した重大な問題

  • 会社の安全配慮義務違反

  • 工場長の過去のセクハラ・パワハラ疑惑

  • 会社が「内々で処理」してきた体質

  • 再発防止策が不十分

  • 処分が軽すぎる(注意のみ)


● 組合の正式要求

  • 会社の責任を認めること

  • 工場長の処分見直し・公式な謝罪

  • 会社のパワハラ防止措置の抜本的見直し

会社の対応の甘さ・責任回避姿勢が強く批判される。


●会社の対応

  • 工場長に謝罪を促すと回答

  • 改めて処分を検討すると回答


● 書面の動き

  • 1/19:組合が、責任の所在を明確にすることを含む要求書提出

  • 1./28:会社が回答書で、「本件が発生した原因は、組織的な構造の問題というよりも、佐伯工場長個人の資質に起因するもの」と回答。懲戒処分として「減給(本給月額の10分の1の金額を1ヶ月分)」、「始末書の提出」と報告。


⑤ 第14回団体交渉(2月20日)

● 組合側の総括的批判

  • 会社の調査・判断・再発防止策に「重大な問題がある」と抗議。

  • 回答書の処分(始末書・謝罪文・減給1/10)は「軽すぎる」と指摘。

  • 過去にもパワハラが複数あったのに改善されていない悪質さを指摘。

  • 工場長の監査方法や、処分の開示の方法が決まっていないのは不信感につながる。


● A氏の指摘

  • 「これでは止まらない」「信用できない」と明言。


● 組合側の核心的主張

1. 会社が責任を個人に押し付けている

  • 工場長個人の問題として処理しているが、


     → 管理職のパワハラは会社の指揮命令系統の問題

    会社の安全配慮義務違反


2. 処分が著しく不十分

  • 減給1/10は就業規則上「下から2番目の軽い処分」

  • 組合は「役位剥奪(降格)」を含めた検討が適切と指摘


3. 再発防止策が実効性ゼロ

  • 監査方法が未定

  • 相談窓口が加害者本人という構造的欠陥

  • 調査手続きが不透明

  • 教育・制度が機能していない


4. 会社の姿勢が誠実さを欠く

  • 処分公表の方法すら決まっていない

  • 回答書の内容と実態が乖離


● 組合が示した今後の対応

  • 3月6日までに再度検討し、誠意ある回答を要求

  • できなければ

    • 労基署通報

    • 本件の社会問題化

    • 弁護士連携による法的措置

       を検討すると通告。


● 書面の動き

  • 3/4:組合が通告書と参考資料(ハラスメント対策に、一般的にどのようなことが必要か示したもの)を提出

  • 1./28:会社は回答書で、一転して会社の責任を認める旨回答したが、処分の見直しは拒否、ハラスメント規定の制定、処分基準の明確化も拒否した。


4、労評労働組合の見解


2026年11月9日「要求書」抜粋

 「職場におけるハラスメント加害は、労働者の尊厳や人格を不当に傷つけ、場合によっては労働能力を奪う人権問題として決して許されない行為である。周知のとおり、「労働施策総合推進法」が改正され、職場におけるパワーハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることは事業主の義務となり、企業がパワハラ防止措置の社会的責任を、今後い

っそう厳格に果たさなければならないことを意味している。

 当組合は、A組合員が佐伯工場長から受けたパワハラ被害の経験を聴取し、貴社においてパワハラが横行している現状を知った。佐伯工場長は長きにわたって貴社が雇用しており、当然にして貴社は佐伯工場長の勤務態度、人物、素行においても掌握しているはずである。それにも関わらず、ここまで酷いパワハラが行われていることは、貴社におけるパワハラ防止措置が何ら機能していないことを意味している。

 我々は労働組合として、労働者の人権が日々侵害されていること、そしてこのような職

場環境が放置されてきた事実を看過することはできない。本件について、当組合は、貴社

の安全配慮義務違反、職場環境配慮義務違反(債務不履行責任、民法415条)に該当するものであると考えている。したがって、本件に関して、問題は佐伯工場長への処分に留まらない。貴社が講じてきた措置を全面的に開示し、再発防止に足り得る適切な処置であるかの検証を当組合と団体交渉を通じて行うことを含めた以下の内容を申し入れる。」


2026年3月4日「通告書」抜粋

「貴社が本件を「個人の問題」として処理しようとする姿勢に対し、強く抗議する。本件は、貴社の指揮命令系統の中で発生したものであり、しかもハラスメント相談窓口として配置されていた工場長自身が加害者であったという、組織として看過し得ない重大事案である。

 佐伯工場長は、長年にわたり貴社が雇用し、工場長として任命してきた者である。その勤務態度・人物・素行について、貴社が把握していなかったとは到底考えられない。社長自身が「過去にもパワハラがあった」と認めており、当組合には労働者から多数の被害申告が寄せられている。それにもかかわらず、貴社はこれまで適切な処分を行わず、事実上放置してきた。

 さらに、パワハラ相談窓口である工場長自身が加害者であったという事実は、相談体制そのものが機能不全であったことを示す重大な背信行為である。これらの企業実態が、本件パワハラの温床となったことは明白であり、貴社がハラスメント防止措置義務(労働施策総合推進法第30条の2)を履行していなかったことを示すものである。

 加えて指摘する。

 ハラスメント防止措置は、2020年(令和2年)6月の法改正により中小企業を含めて義務化されており、すでに4年以上が経過している。企業にとっては「当然に備えておくべき最低限のコンプライアンス」である。これほど基本的な義務すら果たしていなかったという事実は、企業としての法令遵守意識が著しく欠如していることを示すものであり、重大な問題である。

 個人責任への矮小化、いわゆる「トカゲのしっぽ切り」は断じて認めない。


5、すべての労働者が安心して働ける職場をつくるために

 

 私たち労評労働組合は、すべての労働者が安心して働くことができる職場を実現するため、日々活動しています。 働くことは生活の基盤であり、誰もが尊厳をもって働く権利があります。そのためには、職場においてハラスメントを決して許さないという共通認識を、会社と労働者が共有することが不可欠です。

 しかし残念ながら現在、佐伯工場で発生したパワーハラスメント問題と、それに対する会社の対応について、看過できない状況が生じています。 組合はこれまで会社に対し、問題の解決と再発防止を求めてきましたが、会社の対応には多くの疑問が残されています。

 今回、この問題の経緯と組合の見解を広く共有し、ハラスメントのない職場づくりに向けた理解と協力を呼びかけるために、このブログ記事を作成しました。

 

 私たち労働組合は昨年末から、粘り強く会社を説得し、一般的な再発防止策も示しました。しかし、依然として浜本工芸のハラスメントに対する考え方は極めて甘く、「会社が自主的に問題の解決に向かうことはない」「社会的制裁がなければ真剣に動かないのか」と考えざるをえません。形式的な対処でうやむやにし、また犠牲者がでるのはもうたくさんです。こんなことは、もう終わりにしましょう。


 そこで、私たちは(1)この問題の社会問題化(社外での情宣)、(2)マスコミへのプレスリリース、を決断し、(3)労基署への通告、の準備を始めました。


 これは、特定の個人を攻撃することを目的としているわけではありません。目的はただ一つ、ハラスメントのない職場を実現することです。、労働者の権利保護と法令遵守の確保のために必要な措置です。

 ハラスメントは、決して個人の問題ではありません。会社全体の問題であり、会社と労働者がともに向き合うべき問題です。


 もし職場で困っていることがあれば、一人で抱え込まないでください。


声を上げることは決して間違いではありません。私たちは、すべての労働者が安心して働ける職場を実現するため、これからも行動していきます。パワハラのない職場をつくるために、ぜひ我々と共に団結していきましょう。




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