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【団体交渉レポート】会社の姿勢が問われた第14回団体交渉──見えてきた“変化の芽”

2026年2月20日に開催された第14回団体交渉では、労働者代表選挙の違法状態、通勤手当制度の不公平、年間休日の少なさ、パワハラ問題、賃金制度の不透明さなど、会社の根本姿勢が問われる重大な論点が次々と明らかになりました。

今回の交渉を通じて、組合は事実と法令に基づき丁寧かつ厳正に追及し、会社に説明責任と改善を求めました。

■ 労働者代表選挙──10年以上続いた“違法状態”が判明


今回の選挙は適正に実施されましたが、過去の選出方法には重大な問題がありました。


「選挙をしたことはない。10年ほど前は信任という形だった」

「以前は前任工場長が代表だったので、その流れで…」


会社の説明はこのようなものでした。しかし、労働基準法では「会社の意向を受けない民主的選出」が必須です。選挙を行わず管理職を代表に据えていた時点で、36協定や変形労働時間制が成立要件を満たしていなかった可能性が極めて高いことが判明しました。

組合は次の点を指摘しました。


  • 適法な代表がいない協定は無効となり得る

  • その結果、過剰な残業や不利益な労働時間制度が押し付けられていた可能性がある


さらに、社長は「自分は関係ない」と発言しましたが、管理職を代表に据えていた以上、会社の関与は明白です。コンプライアンス意識の欠如が露呈した場面でした。

また、虚偽の協定届出は労基法120条の罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)の対象となる可能性があります。


組合は、会社に対し正式な見解表明を求めています。

■ 通勤手当──“出勤するだけでマイナス”の不公平制度


交通費制度について会社は「多くの従業員にとって妥当」と回答しましたが、裏を返せば少数の従業員は不利益を受け続けているということです。

特に市電定期は9,800円。市電+他交通機関を利用すると確実に自己負担が発生し、「出勤するだけでマイナス」という異常な状況が続いています。

社長は「1万円のルールはシンプル」「業務の手間が増える」と述べましたが、組合は次の点を強調しました。


  • 交通費は“義務かどうか”ではなく実費補填としての公平性が重要

  • 遠方から通勤する人ほど情熱を持って働いている

  • 業務の手間を理由に不公平を放置するのは企業として無責任


一度計算すれば頻繁に変わるものではなく、そのひと手間が離職防止につながることを訴えました。

■ 年間休日──「いい会社にしたい」社長の言葉と現実のギャップ


会社は年間休日を増やさない方針を示しましたが、その理由を問うと社長は次のように述べました。


「いい会社と言われたい。休日も給料も増やしたい思いはある」「赤字なので全部の要求には応えられない」「徐々にすり合わせながら改善したい」


組合は次の点を追及しました。


  • 年間休日の増加は生産性向上のための施策であり、単なる福利厚生ではない

  • 労働条件が改善されなければ、人材定着・採用・品質向上は実現しない

  • 設備投資だけでは不十分で、「設備・仕組み・人」が揃って初めて効果が出る


議論の結果、社長は「もう一度検討する」と回答。これまでの「できない」一辺倒から一歩前進した点は評価できます。

また、休日カレンダーについては、就業規則に基づき今後は労使協議で決定することを会社も認めました。

■ パワハラ問題──“個人の問題”では済まされない会社の責任


佐伯工場長によるパワハラは今回が初めてではなく、社長も「何度かあった」と認めました。しかし、これまで一度も処分は行われていませんでした。

回答書には「監査・監視を継続」とありましたが、具体的な方法を問うと、


「まだ何も決まっていません」


という回答。処分も監査も実態が伴っていないことが明らかになりました。

組合は次の点を強く抗議しました。

  • パワハラは会社の指揮命令系統の中で発生する

  • 会社には安全配慮義務・使用者責任・パワハラ防止措置義務がある

  • 管理監督者のパワハラは本来、降格を含む厳正な処分が必要

再回答は3月6日に予定されており、実効性がなければ労基署通告・記者会見・法的措置も検討します。

■ まとめ──“変化の芽”を確実な改善へ

今回の交渉で浮き彫りになったのは、会社の姿勢そのものが問われる重大な問題ばかりでした。

  • パワハラへの甘い処分

  • 通勤手当制度の不公平

  • 年間休日の少なさ

  • 賃金制度の不透明さ

一方で、交通費や休日について「再検討する」との回答が出たことは、わずかではありますが前向きな変化の兆しです。

組合の粘り強い追及により、労働者の声が確実に会社を動かし始めています。

今後も誠実な協議を求めつつ、必要に応じて厳しい対応も辞さず、安心して働き続けられる職場づくりのために全力で取り組んでいきます。

〇今後の予定

次回団体交渉は、3月19日

今回の団体交渉を踏まえた会社回答期日は、2月27日(賃金・一時金に関する抜本的見直し)3月6日(パワハラ、休日、交通費)です。


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